電光の須臾の光に照らされし さとりのおもかげ 恋いて狂おし(菩提行経1_5)
照滴050
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要点
一瞬の電光に照らされたかのように悟りが垣間見え、心を激しく動かす様を表現。 現代語訳
注釈
菩提行経:寂天(シャーンティデーヴァ)の著作。菩薩行経とも。 解説
深掘り_嵯峨
悟りへの激しい情熱を、恋愛の狂おしさに喩えて表現した、この歌集の重要な一首です。 悟りは、「電光の須臾の光」のように一瞬で儚いが、その「おもかげ」を見た者は、それを再び求めずにはいられないという、激しい希求に囚われます。真理への追求が、世俗の愛を超えるほどの狂おしい情熱となっていることを示し、この歌群に流れる情愛と求道の融合というテーマを、極限まで高めて表現しています。